ダイノックシートとは?壁紙との違いについて

ダイノックシートとは?壁紙との違いについて

ダイノックシートをご存じですか。新築住宅やリフォームを検討されている方の中には、壁の仕上げ材として調べられた方がいるかもしれません。ダイノックシートがどのような素材で、比較の対象になる壁紙とはどのような違いがあるのか解説します。

ダイノックシートとは

ダイノックシートとは、正確にいうとスリーエムジャパン株式会社が取り扱っている化粧塩ビフィルムの商品名になります。シート裏面に粘着剤がついているシール状の製品になっていて、表面には木目柄や石目柄など豊富なデザインが印刷されています。壁の仕上げ材としてはもちろんのこと、建具や金属製の枠、机などの家具の仕上げとして使われています。
サンゲツの「リアテック」やアイカ工業の「オルティノ」、シーアイ化成が取り扱っている「ベルビアン」も同様の商品になります。

ダイノックシートの特徴

化粧塩ビフィルムであるダイノックシートには、以下の3つの特徴があります。
・豊富なデザインと質感の良さ
・耐久性が高い
・工事期間を短縮できる
一つずつ特徴をみていきましょう。

豊富なデザインと質感の良さ

ダイノックシートには、豊富なデザインがあります。木目柄や石目柄、金属のようなメタリックな質感のものもあります。その質感もよくできていて、パッとみると本物のように見えるほどです。木目柄を使って落ち着いた空間を演出したり、石目柄を使って高級感のある空間を演出することができます。ダイノックシートには、豊富なデザインと質感の良さという特徴があります。

耐久性が高い

ダイノックシートは、耐久性の高さも特徴のひとつです。
ダイノックシートの耐用年数は10年といわれ、ひっかき傷に強いので机の天板の仕上げ材として使うことができます。
不燃認定を取っている製品であれば、耐水性の高さを活かして不燃材の使用が求められるキッチン周りの仕上げ材料として使うこともできます。

工事期間を短縮できる

ダイニックシートをリフォームに使うことで工事期間を短くすることができます。
経年劣化によって傷んでしまった扉や木枠をリフォームしようとすると通常であれば解体して取り換えることになります。周辺部の補修工事も伴うので、工事日数が必要になります。
当然のようにコストもかかります。ダイノックシートは貼るだけでリフォームできるので工事期間とコストを抑えることができます。解体工事を行うときのように余計な汚れを出さずに工事ができる点も特徴の一つといえるでしょう。

壁紙とのちがいは?

ダイノックシートと同じく貼って仕上げる材料に壁紙があります。ダイノックシートと壁紙にはどのような違いがあるのでしょうか。
以下の3点で違いがあると考えられます。
・耐久性
・用途
・価格
それぞれの違いについて詳しくみていきましょう。

耐久性

ダイノックシートと壁紙の違いの中でも大きく異なる点は耐久性の違いです。
耐用年数でみるとダイノックシートは10年、壁紙は6年といわれます。ダイノックシートには外部で使えるような耐久性の高いものが存在します。屋内での使用を考えると10年よりも長く使える耐久性があると考えられます。また、耐水性にも優れているため、キッチンなどの水まわりでの使用も可能です。ひっかき傷に強い点も壁紙と大きく違う点といえるでしょう。

用途

耐久性の違いは、使用箇所の違いにもつながります。先に述べましたが、ダイノックシートは、耐久性を活かして外部で使うことが可能なものがあります。耐侯性、耐水性のある材料だからこその用途といえます。対して壁紙の用途は、室内での使用に限られます。水拭きはできますが、雨風による影響をまともに受ける外部で使用できるほどの耐久性はありません。
用途と少し異なりますが、貼り付け面の下地から受ける影響にも違いがあります。壁紙が石膏ボードなどの下地の影響をまともに受けるのに対して、ダイノックシートは下地の精度による影響をあまり受けません。下地の精度による影響をあまり受けないので、建具や家具の仕上げに使ってもきれいに仕上げることができます。

コスト

コスト面での違いはどうでしょうか。
1㎡あたりのシート代で考えるとダイノックシートは壁紙の費用を大きく上回ります。貼る手間代は、ダイノックシートではプライマーが必要で、壁紙では糊が必要なことを考慮しても大きな差はありません。材料の価格差でダイノックシートが高額といえるでしょう。
ただし、目的に合わせてダイノックシートと壁紙を使い分けることが大切です。耐久性が必要な面での使用など、その後のメンテナンス費用まで考慮して長期的なコストでみると材料の金額差ほどの違いはなくなる可能性もあります。

ダイノックシートの使用を考えられているのであれば、使う場所と目的に応じて壁紙との使い分けを含めて検討するのがよいでしょう。

 

施工例

京都市左京区にてガレージ内のクロス貼り

京都市北区にてダイノックシート貼り

京都市にて喫煙室造作に伴うクロスの貼替