フローリングに傷が。一部の張替えはできる?

コラム

新築時やリフォーム直後のフローリングは、木目の美しさと光沢が魅力的で、室内全体を明るく見せてくれます。しかし、日々の生活の中で家具を引きずったり、物を落としてしまったり、ペットが走り回ったりと、どうしても傷やへこみは避けられません。そんな時に気になるのが「フローリングの一部だけ張替えできるのだろうか?」という点です。本コラムでは、一部張替えの可否や方法、メリットとデメリット、そして現実的な選択肢について詳しく解説していきます。

フローリングの構造と張替えの考え方

まず理解しておきたいのは、フローリングの種類によって補修の方法や張替えの難易度が異なるということです。一般的に使われているフローリングには「無垢フローリング」と「複合(合板)フローリング」の2種類があります。

  • 無垢フローリング
    一本の木材を切り出して作られたフローリングで、木そのものの質感や経年変化が魅力です。表面を削って再塗装することもできるため、深い傷でも研磨と塗装でリカバー可能です。一部交換も理論的には可能ですが、木の反りや色合いの違いが出やすい点に注意が必要です。

  • 複合フローリング
    合板の表面に化粧材を貼り付けたもので、一般的な住宅に多く使われています。傷が表面層を超えると修復が難しくなります。部分張替えは可能ですが、施工時の接着や溝の組み合わせの関係で、一枚だけを綺麗に剥がすのは高度な技術が必要になります。

つまり、種類によって補修方法の選択肢が広がる一方で、張替え自体が容易とは限らないのです。

一部張替えは可能か?

結論から言えば、フローリングの一部張替えは可能です。しかし条件があり、万能な解決策とは限りません。

一部張替えができるかどうかは次のポイントによって左右されます。

  1. 施工方法
    フローリングが「接着剤でガチガチに固定されている」のか「はめ込み式で浮かせ張りされている」のかで難易度が大きく変わります。最近の住宅で採用されることが多い“ユニクリックシステム”のようなはめ込み式は比較的部分交換がしやすい傾向にあります。

  2. 同じ材料の確保
    張替えを行うには、同じ種類・同じ寸法のフローリング材が必要です。新築時から数年経つと廃盤になっているケースもあり、その場合は似た柄のフローリングを使うしかありません。結果として、どうしても周囲との違いが目立ってしまうこともあります。

  3. 施工技術
    既存の床材を傷めずに一部を剥がし、新しいものをはめ込むには熟練の技術が必要です。DIYでの部分張替えはかなり難しく、専門業者に依頼するのが現実的です。

メリットとデメリット

一部張替えには当然メリットとデメリットがあります。

メリット

  • 床全体を張り替えるよりも費用が抑えられる

  • 範囲が小さいため工期も短い

  • 部分的な深い傷や劣化に的確に対処できる

デメリット

  • 周囲のフローリングとの色やツヤの差が出る

  • 廃盤材の場合は似たものしか使えず、完全に一致しない

  • 張替えの難易度が高く、施工費が割高になるケースもある

「安く済ませたいから部分張替えを選ぶ」という考え方は合理的ですが、必ずしもコストダウンにつながるとは限らないのが実情です。

張替え以外の補修方法

一部張替えが難しい場合やコスト面で折り合いがつかない場合、補修という選択肢もあります。

  • 専用補修材によるリペア
    市販の補修用クレヨンやパテを使えば、浅い傷であれば自分でも目立たなくすることが可能です。

  • リペア業者による補修
    プロのリペア業者は、へこみや欠けた部分を専用の樹脂や塗料で埋め、周囲と色合わせをしてくれます。新品のように仕上げる技術もあり、一部張替えより自然に見えることもあります。

  • 上貼り工法
    既存のフローリングの上に薄い新しいフローリング材を貼る方法です。部分的な施工はできませんが、床全体をリフレッシュしたい場合に有効です。

部分張替えを検討する際のポイント

もし部分張替えを検討するのであれば、次の点を押さえておくと良いでしょう。

  1. 施工会社に相談して見積もりを複数とる
    部分張替えと補修、全面張替えの3パターンを比較することで最適解が見つかります。

  2. 生活スタイルを考える
    ペットや子どもがいて傷が増える可能性が高いなら、張替えよりリペアのほうが適しているかもしれません。

  3. 将来的なリフォーム計画と合わせて考える
    近い将来全面リフォームを検討しているなら、応急的にリペアで済ませるのも合理的な判断です。

まとめ

フローリングに傷がついた際、「一部の張替えは可能か?」という疑問に対しては、条件次第で可能だが必ずしも得策ではないというのが答えです。張替えは材料の確保や施工の難易度、色の違いなどの問題が伴うため、結果的に補修やリペアの方が仕上がり・コスト面で満足できることもあります。

大切なのは「どの程度の傷なのか」「どれくらいの費用をかけられるのか」「仕上がりにどのレベルを求めるのか」を見極めることです。まずは信頼できる専門業者に相談し、部分張替えとリペア両方の提案を受けることをおすすめします。

インテリアシラカワでは床の張替え工事も承っております。お気軽にご相談ください。

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